2001年８月22日から８月30日まで、ボスニア＝ヘルツェゴビナ旅行に行ってきました。そのときの日記をもとに、旅行記をアップしていきます。また、今になって書き足したいことなどもありましたので、「＃」マークで書き込んでいこうと思っています。
| 日本 | ボスニア＝ヘルツェゴビナ | |
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ボスニア＝ヘルツェゴビナって、どんなとこ？外務省に聞いてみよう！
2001年
８月22日（水） 成田空港からチューリッヒへ
23日（木） チューリッヒからサラエボへ
24日（金） サラエボ
25日（土） サラエボ
26日（日） モスタル
27日（月） ドブロブニク
28日（火） ドブロブニク
29日（水） ザグレブからチューリッヒへ
30日（木） 帰国
日本時間14:15 飛行機の中
現在、シベリア上空にいます。下は、多少、雲が見られる程度で、快晴。大雨の中、離陸して雲の中を飛んでいたのが、ウソのようです。たまに、南北に走る川が見えるのは、地図帳どおりかな。
飛行機は、ＪＡＬとスイス航空の共同運航ってことで、日本人が多く、海外へって雰囲気ではないです。札幌に行くのと、同じ感覚です。チューリッヒについて、突然、外国に対応できるでしょうか？
まぁ、今回のボスニア旅行は、出発するまで、いろいろありました。ことの発端は、98年のクロアチア旅行でのモスタル行きの断念だけど、今年、ポーランドに行くのを断念し、ボスニアに行こうって、決めたとき、母親に、簡単に反対されなかったんだよね。ＨＩＳでキャンセル待ちって言われたときも、「行きたいんだったら、いいよ」って言われたし…。それなのに、キャンセル待ちがとれてから、雲行きが怪しくなり、保険の件や、誓約書の件などで、反対されてしまった。結局、母親が折れてくれたから、自分がここにいる訳だけど…。
それにしても、ここの座席、エコノミーの一番前で、ビジネスとの境目なので、サービスの違いが見えすぎる（笑）。
スイス時間20:55 日本時間翌03:55 ホテルSt.Georges
私の今日は、31時間あった。出発したその日に着いて、まだ何かやる時間が残っているのは、初体験だ。アジア周りは、翌朝着だし、アエロフロートは監獄直行だから。でも、４時は過ぎていたから、自分でホテルを探さずにｉで紹介してもらいました。条件は「安い」ってことだけだったので、駅からも旧市街からもちょっと離れたところだけど、シングルで、78SFR（約6000円）なので、まぁいいかな。別に何日も、チューリッヒを観光するわけでもないし…。
サマータイムなので、さっきまで、明るかったけど、スイス人は、サマータイムを満喫している。チューリッヒの湖まで散歩に行ったら、水着で日光浴をしている人がいっぱいいて、びっくり。夕方を、あんな風にゆっくりするんだったら、サマータイムもいいかもね。でも、日本人は、明るいうちから遊ぶと、罪悪感を感じるから、よけい遊ぶ時間が減ってしまうような気もするけど…。
飛行機の中で、札幌に行くのと、同じ感覚って書いたけど、切符の買い方が分からないところから、外国だね。中央駅が行き止まりになっているのも、ヨーロッパに来たって実感がある。でも、外国だなぁって感動して、いっぱいいっぱいになっているから、疲れ気味。日本にいれば、真夜中だから、もう寝よう。
スイス時間07:00 ホテルSt.Georges
ここのホテルのネックは、今も鳴っているけど、教会の鐘がうるさい。真夜中だって、鳴っているし…。まぁ、そんなわけで、よく眠れたったわけではないし、時差ボケも取れきっていないけど、今日から、ボスニア。気合いを入れていきましょう。
今日の予定。９時過ぎにホテルをチェックアウト。途中で、自宅にＴＥＬして、空港へ。余ったSFRは、DMに両替して、サラエボへ。タクシーで市内へ行き、プライベートルームに泊りましょう。
14:15 飛行機の中
さっき、アルプス越えをしました。それにしても、この飛行機（Auro
RJ100）は、小さいです。席は２０列の５人がけで、音楽も聞けませんし…。それに、羽根が飛行機の上になります。まぁ、ザグレブ行きのアエロフロートよりは、ましかもしれないけど…。
自宅にＴＥＬしたまでは、予定どおりでしたが、SFRはボスニアのお金に両替することにして保留。空港で、かなり時間が余ってしまいました。
そういえば、さっき昼食に、「この食事には、豚肉を使っていません」のフダが付いていました。ムスリムの人たちのためだと思うので、どんどんサラエボが近くなっているをの実感しています。
19:10 サラエボのプライベートルーム
ここは、チトー通り２１のプライベートルーム。すぐ前のBosnia Toursで、紹介してもらったけど、ロケーションは、めちゃめちゃいい。日本大使館のすぐそばで、チトー通りから、フェルハディア通りに入るところなので、イメージ的には、青山通りと竹下通りの交差点周辺かな？ここの家族は、人数が多いので、老夫婦や未亡人がやっているクロアチアのプライベートルームとは、イメージが違うなぁ。ベッドは、ソファーから生えているような感じで変だけど、枕は堅いので、眠りやすそう。
今日は、空港についてからが、大変だった。タクシーで、「サラエボ・シティーへ」って、言えば、適当なところに連れて行ってくれるかと思ったけど、甘かった。１人目の運転手には、「場所がはっきりしないから、ダメ」って言われて、空港のインフォメーションに連れて行かれるし、次の運転手も結局、バスターミナルまでしか行かなかった。慣れない国で、慣れないタクシーに乗るのは、大変だね。
で、タクシーを降りたら、夕立が降ってきて、ズボンやカバンがぐちょぐちょ。プライベートルームを探しに、旅行会社に行ったけど、紹介してくれるところとしてくれないところがあるとは、知らなかった。結局、さらに濡れて、Bosnia
Toursまで、行って、ここを紹介してもらった。そんなわけで、ぐちょぐちょで、さんざんなサラエボ初日のスタートでした。
部屋に着いてから、市内へ。結構復興が進んでいるなって思って顔を上げると、壁面のないビルがそのままだったり、まだまだって感じ。あと丸２日くらいいる予定だから、町のいろいろな面を見てみたいね。
物価に関しては、まだまだよく分からない。ここの部屋は、３泊朝食付きで134DMだけど、『歩き方』に載っている一番安いホテルでも160DMだし。夕食の肉パイは３DMなのにファンタは1.20DMだし。うまいこと安くいけば、とことん安くいけそう。
あと、おもしろいのは、DMとKMが完全に流通していること。交換比率が１対１だからだけど、DMのおつりが、DMとKMまじりだったりするから、おもしろい。
初日で気づいたことは、こんなところかな。明日は、パレに行こうかな？
07:50 プライベートルーム
昨日は、９時前後にみんな部屋に入ってたので、俺も、１０時前には寝たけど、５時過ぎには起き始めたので、結局６時起き。シャワーを浴びて、朝食して、こんな時間だけど、動き出すには、まだ、早い感じ。
朝食はリッチで、パン（チーズ、バター、ジャム付き）とゆで卵、トルココーヒーと紅茶でした。これで、５DMは、安いね。
16:15 プライベートルーム
疲れたー。ずっと歩いていたから、足がパンパンに張っている。ほんとは、夕食を食べてから戻ってくるつもりだったけど、予定変更。休息するために一時帰宅。
今日は、まず、自宅にＴＥＬしようと思って、郵便局に行ったら、クロアチアみたいに電話のブースはなくて、テレカを買った。でも、何度かけてもつながらないので、あきらめて駅へ。あとで、判明したことだけど、プッシュしたあと、待ち時間が長いので、反応がないからって、切っちゃダメなんだよね。まっ、結局、駅の公衆電話でつながり、５DMで30秒話せました。
早く出かけたのもあって、駅まで歩き。昨日は、雨の中を歩いていたけど、今日は、ゆっくり歩いていきました。駅で、モスタルへ行く電車の時間を聞いたら、6:11ってこと。どうしようかなぁ。
その後、初トラム。改札できなかったら、おばさんがやってくれた。小さな親切がうれしい。
で、予定通りパレへ。昔みたいに境界で乗り換えってこともなく行けたけど、タクシーの運転手とうまく意志の疎通ができなくて、パレの町を通り過ぎてしまって、そこから戻ったので、メーターは36DMちょっとだったので、40DM。まぁ、そんなものでしょう。パレへ行くまでは、多摩川沿いの奥多摩街道状態。サラエボが山に囲まれているのを感じる。境界では、片側車線のみなので、ちょっと混んでいたけれど、なんなく通過。で、あっというまに、パレに着きました。事前に、情報を仕入れてなかったので、何があるのか、分からなかったけど、俺の見た感じでは、普通の町。戦時中、セルビア人の政治拠点だったなんて、信じがたいね。でも、１人、セルビア人が話しかけてきて、「セルビア人は好きか」って聞かれたから、「自分は世界中の人が好きだ」って答えた。そうとしか、答えようがないし…。
帰りのタクシーは、メーターを押さないんで、ちょっと気になっていたら、「行きは、いくらだった？」って聞くから、「３０」だって言ったら、サラエボのはずれのホテルSarajで、降ろされて、40DM取られた。まぁ、行きと同じなので、そんなもんかな。
で、１時前には、市内に戻ってきたけど、あんまりいろいろ市内を見て回るところがなくなったら、つまらないので、バシチャルシァを歩き回った。疲れたら、カフェで休んだり、勢い余って、北のオスマントルコ時代の門より上まで登ったりした。そんなわけで、今日は、１日中、歩きっぱなしでした。
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丘の上から見たサラエボ市内。 旧共和国ビル、UNISビル（ツインタワービル）が、 ぼやけていますが、分かりますか？ |
そうそう、あと、おみやげで、銀細工のトルココーヒーセットのうち、砂糖入れ大小１つずつ、よく分からない入れ物を１つ買って「50DM」って言うから、おまけでスプーンもつけてもらった。ほんとは、もっと安くなった気もするけど、双方共に、もうけた気になっている方がよいよね。
19:15 プライベートルーム
夕食のため、バシチャルシァまで、出かけたら、また雨に降られて、アーケードへ避難。銀細工屋をのぞいたら、クモのピアスがあったので、即ゲット。ついでに、奈緒の土産に冗談交じりでネックレス。結局、夕食屋は見つからず、ミリャツカ川対岸のイタ飯屋。でも、正式のイタリア料理屋だったみたいで、ピザだけでは、ちょっとヒンシュクだったかも。
19:40 プライベートルーム
大家さんちは、家族が多いのではなく、貸部屋が多いのかなぁ？昨日は、話し声がしなかった隣の部屋で、話し声がするし…。まぁ、日本人ではないし、顔を合わせない限り、関係ないかな？
明日は、サラエボ本番。オリンピックスタジアム、スナイパー通り、オスロボジェーネ新聞社を見に行きます。
08:00 プライベートルーム
昨日は疲れてて、日記を書いて、８時過ぎには寝てしまいました。昨日の朝は５時くらいからザワザワしていたのに、今朝は、おじさんとおばさんの他に誰もいないのか、とても静かで、俺は７時起き。隣の人たちは、どうしたんでしょう。
今日は、サラエボ本番だけど、明日は、早朝発の予定なので、実質最終日でもある。見落としがないように、じっくり、ゆっくり、市内を見学していきましょう。まっ、９時くらいから動き出して、５時くらいに１回戻ってくるか、夕食までして、７時前に戻ってきたら、おじさんに話して、荷物を整理しておきましょう。
17:30 プライベートルーム
もう夕食も食べて帰宅。一息ついたら、おじさんに明朝の話をしましょう。
帰り際に、100KM札を崩すついでにテレカを買ったら、セルビア版の20KM札が混じっていた。パレでも、セルビア版を手に入れられなかったのに、運がよい。保存用にするために、カバンの中にしまいました。
今日の夕食は、一昨日行ったお店。シェバプチチとサラダを頼んだら、「サラダよりヨーグルトの方がいいよ」って、飲むヨーグルトになった。これでも合わせて４KM。昨日の12KMは、何だったんでしょう。
昨日のパレでもあったけど、今日、カフェで、DMの受け取り拒否。兌換通貨ともいえども、自国通貨へのプライドか、それとも今回の旅行を企画した俺と同じ理由でユーロ移行対策か、分からないけど…。明日のモスタルでは、どうでしょう？
今日は、家へＴＥＬしてから、タクシーで、コシェボ・スタジアムへ（運転手さんには、「オリンピック・スタジアム」では、通じませんでした）。グランドを見に入ったら、扉に、「host」と「guest」のサイン。案の定、サッカーの入場してくる出口でした。グランドレベルからサッカー場を見るなんて、初めてで、感動。
帰りは、歩き。両側に、92年にできた真新しいお墓を見ながら。
駅からトラムにのったら、逆方向行きで、旧市街をぐるって１周車窓から見学して、また駅へ。今度はまちがえずに、西行きに乗ったけど、調子に乗って、終点のイリジャまで。イリジャは、空港の滑走路のそばで、結構賑わっていました。で、オスロボジェーネ新聞社を過ぎた辺りから、廃屋が目立つようになる。市内から離れている分、復興が遅れがちなんだろう。新聞社の隣の老人ホームも、今では、ホームレスのたまり場みたい。信号で車が止まる度に、物乞いが出てくる。
新聞社は、空港から来る途中も見たけど、やっぱり凄い。写真を何枚も撮ってしまう。今回の旅行で、初めて、自分も入ろうと、人に頼んだら、１人目のおじさんはズームを押してしまい「よく写らない」って言われるし、２人目のおじさんは撮ったあと「俺はプロだから」とお金をほしがったので、ちょっと払う。きちんと写っていたほしいけど…。
バシチャルシアに戻って昼食にしようと思ったけど、ボザを飲んだだけ。再度、西行きに乗り、グルバビッツァのサッカー場へ。途中まで行ったけど、結局、ミリャツカ川沿いを散歩。最前線だっただけあって、壊れたままの建物も多い。そのまま、ブルバニャ橋を越え、旧オリンピックスケートリンクへ。今は、商店街になっているけど。
旧市街の公園で、チェスをやっているおじさんたちを観戦。日本の将棋は技巧を尽くして王様を取るけど、ボスニアのチェスは「王手」「王手」と攻めていかずに、他の駒を取って優勢勝ちに持っていこうとする。そのため、無理な攻めは避け、ジワジワと追いつめていくのが、まどろっこしい。声をかけてくれたら、参戦したのに…（笑）。もう、６時過ぎたから、日記はおしまい。
20:00 プライベートルーム
相変わらず夜遊びができない。暗くなっても、土曜の夜だから、チトー通りは人でいっぱい。でも、夜遊びスポットなんてなさそうだから、カフェでだべるか、町中を歩き回るか、だろうけど。
寝る前に、サラエボ雑感を。
正直言って、想像していたほど、戦争のあとのすごさはない。新聞社や壊れたままのビルはすごいけど、それ以上に、人たちの活発さを感じる。男性はＴシャツ、Ｇパン、女性もパンツルックが多いね。たまに、ムスリムの人がスカーフをしているけど、ムスリム人の人口比に比べれば、少ないと思う。
女の子は、クロアチアのときも書いたけど、小さい子がかわいい。ちょっと、ロリ好みなってしまうけど、胸が大きくない細めの髪の長い娘がかわいいね。でも、サラエボのような大都市だと話す機会は少ないね。トロギルからザダルに行くバス停のようなことはないね。
ＳＦＯＲの兵隊を見かけても、みんな仕事中でない。自動小銃を常に肩にかけていた韓国の金浦空港の方が緊張感があった。でも、腕章を見れば、アメリカ、ドイツ、イタリア、フランス、イギリス、トルコといったＮＡＴＯの混成軍で、国際的に派兵されているのが分かる。でも、女性兵１人に４、５人の男性兵でバシチャルシアで買い物をしているのを見れば、やっぱり緊張感がないね。さらに、女性兵が２人以上でいることもないし…（笑）。
今日は、２ページ近く書いているけど、明日の予定を。
６：１１の電車に乗るためには、５時起き、５時半出発。モスタルに着いたら、ドブロブニク行きのバスの確認。２時前に着くのがあれば、ホテル・エロにチェックインして、市内を見学しましょう。壊れた橋を見て、川を挟んだ民族の対立を感じられたらいいね。
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| サラエボの街の遠景です。 旧共和国ビル、UNISビル（ツインタワービル）が、ぼやけていますが、見えますか？ |
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| サラエボといったら、このラティンスキー橋（旧プリンツィプ橋）。 第一次大戦勃発のきっかけとなったサラエボ事件の橋です。 |
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| （左）カトリックの教会 （中）セルビア正教の教会 （右）イスラムのモスク 同じ都市に、違う宗教の教会があるなんて、ホントは珍しいんですよね。 日本に住んでいると、気にならないけど…。 |
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| 私の泊まったプライベートルーム （左）外観 （中）大家さん （右）私のベッド |
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| 同じ20兌換マルク札なのに、２種類あるのって、変に感じませんか？ よく見てください。違いが分かると、理由も分かってくると思います。 （画像をクリックすると、拡大します。ブラウザの「戻る」で、戻ってください。） |
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| ここは、サラエボ。なぜ、「JAPAN」印のバスが、走っているんだぁ。 （答）日本のＯＤＡで新調されたバスだから。 ＃ 日本の目に見える援助って、ホントに目に見えますね（笑）。 （画像をクリックすると、「JAPAN」印が、拡大します。） 日本は、西バルカン諸国（クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、セルビア・モンテネグロ、マケドニア、アルバニアの５か国）に対して、中立的な立場から経済支援を行なってきており、その額はすでに総額1400億円を超えている。しかし、日本はさまざまな形で支援を続けてきたにもかかわらず、欧米諸国に比べてなかなかその顔が見えないとの批判があった。そのため、ボスニアの首都サラエボやセルビア・モンテネグロの首都ベオグラードに一般無償としてバスを供与する際、ＥＵの前例に倣い誰の目にも触れるように、黄色地の車体に「日本国民から」と書かれることになった。たしかに、市民の重要な交通手段である公共のバスの供与は感謝されたに違いないし、車体に書かれた「日本」の文字は人目を引くことになった。しかし、トルコで生産されたバスの供与がボスニアやセルビアに及ぼす経済効果はそれほどではなく、これらのバスがサラエボやベオグラードで生産されていたらと考えざるを得ない。失業率が30％に達している両国にとって、雇用の拡大は緊急の課題である。現地の自立的な経済復興支援こそが望まれているのであり、これを理解することが日本のプレゼンスを高めることにもつながる。 |
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| （左）シェバプチチ （右）ボザ 『地球の歩き方』曰く、サラエボらしい料理。 私も、シェバプチチは、好きですね。 |
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最後になりましたが、サラエボの戦争のあとです。 （上から１番目）旧共和国ビルの裏表。 |
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05:45 サラエボ駅の電車の中
おじさんが、５時に起こしてくれて、朝食を出してくれた。最後まで親切でうれしい。
チトー通りに出たら、すぐタクシーを拾える。でも、「レールウェイステーション」では通じず、「バスターミナル」と言ったら通じたけど、「バス」と「ブス」と訂正されてしまった。5:30前に駅に着いた。深夜料金（？）があるらしく、メーターが上がった。
窓口でもすぐチケットを買える。電車に乗る前に自宅へＴＥＬしたが、留守電。ホームに上がったら、電車は来ていて、コンパは満員。ボックスの空いた席に座る。早めに来て大正解。
12:30 モスタル ホテル・エロ464
南に来たって分かるほど暑い。スタル・モストはもう見てきたから、休憩のために、帰室。
モスタルは、20世紀のローマ。遺跡（廃墟）と住民が共存している。それだけ自然に廃墟がある。クロアチアとの違いは、廃墟を壊して新築するのではなく、修理して住んでいるところ。だから、ボロボロの建物に、所々、真新しい窓枠が入っている。経済力の差なんだろうけど、かなり危険に感じる。
『歩き方』には、クロアチア人側の方が賑わっているって書いているけど、日曜だからかムスリム人の方が賑やか。サラエボに比べて、観光客が目につく。夜、人通りが少なくなると、裏道は怖そうだね。
16:00 ホテル・エロ
モスタルに泊まるの、少し意地になっていたかもしれない。12:30に戻ってきて、14時にもう一度出かけたけど、暑くて観光どころじゃない。カフェも閉めちゃったり、開店休業だったり、歩いているのは観光客ばかり。現地の人は、お休みだね。こんな風に部屋で休むしかなかったら、移動時間に使った方が賢明だったかもしれない。ただ、ゆっくりするのだったら、わざわざボスニアでしなくても、岩手の温泉で充分なのに、ってマイナス思考。サラエボにいたときは、バテるまで動いて、さっさと寝たので、余計なことを考える暇はなかったから。
明日は、7:00発のバスで、ドブロブニクへ。明日こそ、朝食抜きだね。１人でいる時間が長いから、いろいろムダに考えてしまうんで、他の人と一緒のＹＨに泊まりたいね。あとは、ガイドブックを持ってきてないから、地図を手にいれて、スルディ山へタクシーで行こう。
18:25 ホテル・エロ
なんかボスニアに、いっぱいいっぱい。新たな感動がなくなっている。廃墟にも慣れてしまい、街中に散歩に行っても、ただ歩いているって感じ。サラエボのときは、そんなことなかったのに…。こういう感覚が、旅をおもしろくなくしてしまう。昨日・今日と昼食抜きなのも、生きる力が弱まっているからかもしれない。でも、敢えて、危険を冒して、生きる力を生み出そうって気にはならないし、ってわけで、もう外出せずに、夕食もホテルのレストランで済ませてしまおう。
そうそう、モスタルは、サラエボに比べて、細めの女の子が多い。でも、小さい子の方がかわいい。
20:30 ホテル・エロ
ホテルのレストランは、お客が一人もいない上、俺じゃ入りにくい雰囲気だったので、結局、駅前のパン屋へ。帰りに、前のお店でファンタを買ったら、ＤＭの受け取り拒否。ムスリム人側のカフェでもＤＭが使えたのに、クロアチア人側で拒否かい。
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| モスタルの町は、ユネスコを中心に復興されてるんですね。 （右）ホテル・エロからのモスタルの町 |
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紛争の際に壊されたオスマン＝トルコ時代の橋（スタリ・モスト）です。 スタリ・モスト イスタンブールにあるスレイマニエ・モスクやボスニア・ヘルツェゴヴィナのヴィシェグラードにあるソコルル・メフメト・パシャ橋などを造ったオスマン帝国の建築家ミマール・スィナン（シナン）の弟子にあたるミマール・ハイルッディンが、16世紀に建築したと伝えられる。 【補足】
2005年には、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ初の世界遺産に登録された。 |
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| （左）98年に、クロアチアで見た天気予報 （右）01年に、ホテル・エロのテレビで見たクロアチアの天気予報 98年には、ボスニアのクロアチア影響下の地域が薄青になっていたのが、 |
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（８月29日 11:35 ザグレブ空港にて記）
丸２日、空けてしまったね。順を追って報告を。
27日は、朝食を摂らずに、バス・ターミナルへ。なのに結局、バスが出たのは、７時半過ぎ。食べてからでも間に合ったのに。ボスニアを出るときに、パスポートにスタンプを押される。さらに、ドブロに行く途中の国境でも、パスポートチェック。何か、パスポートをやたら出し入れした移動でした。
ドブロについてからは、何を意地になっているか分からないけど、プライベートルームのおばちゃんを振り切って、ＹＨへ。よく考えるとＹＨの会員証を持っていなかったのに、泊めてもらってしまいました。でも、ビックリしたことに、クロアチアでＤＭが使えなくなっている。両替に行って、宿代を払ってから、旧市街に出て、ロクルム島へ。
ＹＨに戻ったら、レセプションに、日本語のガイドが置きっ放しになっているから、日本人がいるのかなって思ったら、案の定、テラスで日本人がダベっていた。仲間に入れてもらって、旅行の話とかしていたら、12時過ぎまで話し続けてしまった。
１人は、法政の男の子。旧ユーゴ旅行だってことで、スロベニアからクロアチアをアドリア海沿いに南下してドブロへ。モスタル、サラエボと通って、ベオグラードに抜けるんだって。ベオには、以前に行っていて、「誤爆」された中国大使館がすごかった。
もう１人は、高卒でお金を貯めて、バイクでオーストラリアを回り、パリからヨーロッパを回って、最終的にはインドを目指しているんだって。観光よりもバイクで回ることが目的みたいで、旧ユーゴの歴史も、あんまり知らなかったな。
そういえば、法政の彼は、千田さんと柴さんの新書を持っていた。今も昔も、あの本はユーゴ紛争を知るためのバイブルだね。
もう１人は女の子。こぎれいな服装なのに、東欧とか３ヵ月かけて回っているって言ってた。
この３人に共通しているのは、日本人宿で情報を仕入れながら旅行してるってこと。だから、ベオやコソヴォにも行けるんだね。まぁ、最終的には、自己責任だけで、俺には真似できないな。せいぜい、ＹＨで知り合って仲良くなる程度だけど、最初のヨーロッパ旅行であったＳＡＮＡさんや亮さんは、どうだったんだろう。まぁ、２人とも健全な大学生だったから、せいぜい３ヵ月が限度だったろうけど。
（８月29日 11:35 ザグレブ空港にて記）
28日は、スルディ山へリベンジ。300Knも出してタクシーで行ってきました。観光タクシーのように、ビューポイントごとに車を止めて、解説してくれてたり、楽しかったけど、１人で6000円は高いなぁ。でも、上から眺めたドブロは絶景でした。
で、城壁を回って、ＹＨのそばのビーチで、男の子２人と合流して、日光浴。焼きすぎて、今でも肩がヒリヒリする。
モスタルから、クロアチアのドブロブニクに行きました。
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| ドブロブニクの風景 （左下）旧市街から、スルディ山のケーブルカー、十字架を見上げる。 （右）タクシーで、スルディ山に上り、撮った写真。 |
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| 壊れたままのケーブルカー ＃ 直せないのではなく、直す気がないだけだし、もしかすると、わざと壊れたまま残してあるのかも？ |
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15:00 チューリッヒへの飛行機の中
今、本を読んでいたら、隣の席に兄ちゃんに、「中国人か」と聞かれた。「日本人だ」って答えたけど、彼曰く「中国語の本を読んでいる」とのことなので、「漢字は、中国と日本の言葉。平仮名と片仮名は、日本の言葉」って、教えてあげたけど、どこまで通じただろう。
昨日は、ビーチで遊んだあと、まったりしてしまい、結局、21:00のバスでザグレブへ。予定通り8:00に着いた。98年のクロアチア旅行のときは、朝早く着きすぎて、寒かったけど、今回はそんなことなし。
市内に出たら、メチャメチャ懐かしい。クロアチア旅行の最初と最後、それに今回で計３回の来訪って感じ。知っているとおりで、公園のそばのマックまで行き、朝食。以前も、よく通ったよな。
街自体のイメージは変わってないけど、郵便局のマークが、「ＨＴＰ」から「ＰＯＳＴＡ」に変わってた。ドブロはまだだったけど、全国的に変わっていくのかな。
３年ぶりのクロアチアで感じたのは、前よりも活気があること。ボスニアから来たから、特に感じたからかもしれないけど。
18:25 チューリッヒ空港
チューリッヒ空港に着いたら、成田行の飛行機が遅れていることが発覚。インフォメーションに行って聞いたら、31SFrの食券をくれた。ゼミの先輩達と初めてソウルに行ったときと同じだね。で、飛行機に乗る直前に慌てるのはイヤなので、さっきパスタ屋に行ってきました。パスタとサラダとファンタを頼んでも、まだ金額に余裕があったら、ウェイトレスが、「チョコレート好きか」って聞くので、「うん」って答えたら、チョコレートとクッキーをつけて31SFrにしてくれた。こういう親切は好きだね。
さっきは、降下するから途中になってしまったから、続きを。
クロアチアは、98年以上に景気が良いみたい。どこでも携帯が鳴っているし、人々の顔も明るい。ドブロなんかは、観光地の顔を取り戻し、アドリア海のリゾートとして客が多いし、スロベニアから来た彼は、スロベニアも景気が良いって言っていた。ボスニアと比較すると、旧ユーゴの地域の経済格差を感じるし、より発展したいために、後進地を切って独立したスロベニアやクロアチアの気持ちも分からないことはない。そういった格差を越えて共存をめざし、バランスをとったチトーは、すごかったんだろうね。
帰りにクロアチアに寄ることにより、よけいボスニアのことが分かったような気がする。
