中学校社会科歴史的分野学習指導案

１　日時 平成15年１月22日（水）　３校時
２　指導学級 ○○中学校第１学年Ａ組（男子20名、女子20名、計40名）
３学期になり、学級のまとまりはよい。全体的に、活発で意欲的な学級である。
３　本単元の指導
　 １）単元名 内乱と下剋上の時代
　 ２）単元設定の理由 南北朝の内乱、応仁の乱と社会秩序が混乱していくなかで、武士や庶民が力をつけていった。そして、新旧交代が起こり、戦国大名が台頭していく時代である。また、混乱のなかで、被支配者である庶民が、自治を行なった活力のある時代でもある。民衆の力が時代を変えていくことを通して、生徒に、社会の形成者としての自覚を育む。
　 ３）単元の目標 ①南北朝の内乱、応仁の乱をへて、庶民や武士勢力が伸張し、下剋上による新旧交代がおこり、戦国大名が、台頭する社会背景をつかむ。
②農業など諸産業が発達し、畿内を中心に、商人の力が増大し都市の自治的な仕組みが生まれ、農村でも農民による自治的な仕組みが生まれたことを理解する。
③武士や民衆の活力を背景にして新しい文化が生み出されたことを考える。
　 ４）単元の指導計画 南北朝の内乱と室町幕府（１時間）
東アジアの変動（１時間）
産業と都市の発達（１時間）
民衆の成長と村の自治（１時間）…【本時】
幕府のおとろえと下剋上、戦国大名（１時間）
中世の文化（１時間）
４　本時の指導
　 １）主題 民衆の成長
　 ２）本時の目標 ①民衆が、地域ごとの自治的組織を確立したことを、史料から読みとり理解する。
②その民衆の自治的組織による抵抗としての一揆が、支配者を駆逐し、広域にわたる自治を確立したことを理解する。
　 ３）教材 教科書　『わたしたちの中学社会　歴史的分野』（日本書籍）
プリント（３枚）　『大乗院日記目録』『政基公旅引付』、荘園絵図、「学習のチェックポイント」
　 ４）本時の展開
　
　 発問・学習内容 生徒の学習活動
導入
（５分）		 農民の生活向上（前回の復習）。
農民の抵抗を、史料①から読み取る。
「土民」とは、どんな人たちだったか考える。
展開１

作業
（10分）
解説
（５分）

 村掟、自検断について、史料②から読み取る。 史料②を読んで、５Ｗ１Ｈでまとめる。
　いつ…文亀４年２月15日
　どこで…大木村と船淵村
　誰が…見張り番（or巫女の息子）
　なぜ…蕨を盗んだ（or村掟を破った）
　何をした…殺した（or殺された）
→指名されたら、１つずつ発表する。
展開２

作業
（10分）
解説
（５分）

 民衆が、守護の勢力を撃退できる勢力に成長したことを、史料③から読み取る。 史料③を読んで、５Ｗ１Ｈでまとめる。
　いつ…文亀元年９月23日
　どこで…日根野村
　誰が…政基の家臣と農民
　なぜ…守護方が攻めてきた
　何をした…撃退した
→指名されたら、１つずつ発表する。
展開３
（５分）		 惣村について、まとめる。

教科書に載っているから正しい史料なのではなく、史料に基づいて教科書の内容が書かれていることに気がつかせる。

 教科書で、自分が読み取った内容を確認。

自分の読み取った内容が教科書に書かれていることに驚く生徒が多い。
さらに、「この史料は、教科書に書かれていることが乗っているから、正しい」と発言する生徒もいると思われる。
展開４ 抵抗の拡大　山城の国一揆の解説 　
まとめ
（10分）		 本時のまとめ 民衆の力が向上し、守護に抵抗していったことを理解し、次回の授業の下剋上、戦国大名を学ぶ前提とする。

「学習のチェックポイント」で、本時における自己評価を行う。

　 ５）評価 ①積極的に、史料を読み、考えることができたか。（関心・意欲・態度）
②史料から、５Ｗ１Ｈを読み取ることができたか。（思考・判断）（技能・表現）
③惣村での民衆の活動を理解できたか。（知識・理解）
④抵抗の拡大として、国一揆を理解できたか。（知識・理解）