二〇三高地は、1904年の日露戦争の主要戦場の一つである。日露両軍は、この高地を争奪するため、激しい強い争いをし、結果、ロシア側では死傷者は5000名あまり、日本側では死傷者は10000名あまりに達した。戦後、日本第三郡司令官である乃木希典は、戦争で命を亡くした兵士たちを記念するため、砲弾の残片で高さ10.3ｍの砲弾状の慰霊塔を建て、爾霊山という三文字を揮毫した。今は、この爾霊山は、日本軍国主義による大概侵略の罪の証拠となった。

重砲兵用探り所

1904年12月、日本軍は、二〇三高地を占領した後すぐ、そこに重砲兵用探り所を設置したことにより、重砲を指揮して旅順口港へ猛烈な攻撃を行ない、港に停泊したロシア軍艦はほとんど日本軍の砲火に打ち壊された。重砲兵用探り所は、日本軍がロシア軍海軍の力に打撃を加え、ロシア軍陸上防衛戦を粉砕して最終的にロシア軍を打ち負かしたことにより重要な役割を果たした。

　1898年、帝政ロシアが旅順・大連を強引に租借した後、旅順を長期的に占領するために、1900年より中国労働者にこの永久的な防衛工事を築造するように強制した。これは帝政ロシアの旅順東側の陸上防衛線にある重要な工事であった。1904年、日露戦争が始まった後、ここは重要な戦場となった。８月21日に、日本軍第11師団は攻撃を始め、なかなか奪い取れないため、坑道発破により堡塁に近づいていた。12月15日に、ロシア軍陸軍防衛指令コンドラチェンコ少将が日本軍の重砲で堡塁内の司令部で砲弾に当たり死んだ。12月18日に、日本軍は堡塁の正面に2.3ｔダイナマイトを入れて大きい発破で北堡塁を占領した。

　1904年、日露戦争の勃発後、日本軍は、東鶏冠山北堡塁を奪い取るため、129日の攻防戦を展開した。12月15日の20時頃、ロシア陸軍防衛司令官であるコンドラチェンコ少将は、堡塁の指揮部に来て軍事会議を行なう。日本軍は、この情報を知ると、すぐに重砲（280mm榴弾砲）で激しく攻撃をし、指揮部は砲弾に命中され、コンドラチェンコ少将は殺された。戦後、日本軍は、その寛大な度合いと顕著な戦跡を誇示するため、ここに「コントラチェンコ少将の戦死の場所」という石碑を建てた。

　1908年に修理完成した。ロシアが建築中の学校の建物を満鉄が改修し、本社建物とした。東隣にあった軍の建物も吸収している。1932年に８階建て鉄筋コンクリートの建物を建設する計画があったが、遂に実現しないままになっている。現在は、大連鉄道有限公司が使っている。

　現在は、大連大学附属中山病院であるが、同名の病院が他にもあるので一般には「鉄道医院」と呼ばれている。

　1902年に建設された。日露戦争中に日本軍が大連を占領すると、戦時中の大連を統治するための軍政署が置かれ、戦後、大連が日本の租借地になり民政署が誕生した後には大連倶楽部、満鉄日本橋図書館などとして使われた。現在は、東方歴史芸術展覧館となっている。

　現在は、大連船舶技術学校として使われている。

　1898年にロシアが大連を占有する権利を得た時に、東清鉄道事務所として建てられた。その後、大連（ダーリニー）の市役所となり、日本が進出してからは遼東守備軍司令部、関東州民政署、関東都督府民生部、満鉄本社、大連ヤマトホテル、大連医院、満蒙資源館、そして戦後は大連自然博物館と約１世紀にわたり大連の歴史に登場する様々な機関が使用した。1998年に自然博物館が移動してからは市の管理の下、次の予定が計画されている。ルネサンス様式の建物は、ロシア街の象徴ともなっている。

　1920年竣工。中村興資平が設計したルネサンス様式の建物。正面に見られるコリント式オーダーは大連で最も美しいといわれた。朝鮮銀行は、日本が植民地としてた朝鮮の中央銀行で、関東州や東北の鉄道付属地などで日本円の紙幣を発行した発券銀行でもあった。現在は中国人民銀行大連市分行になっている。

　1920年竣工。大連市役所を設計した松室重光が設計した。市役所の向かい側にある。現在も、大連市郵政局として活用されている。

　1909年竣工。中山広場では２番目に完成。妻木頼黄が日本で基本設定し大連で満鉄技師（妻木の部下）の太田毅が図案を元に実施設計したバロック様式の建物。大連でも珍しいバロック式ドームが印象的であった。現在は中国銀行大連市分行になっている。

　現在は、中国光大銀行。大連金融大廈の建物とともに、日本統治時代にはなかった中山広場では、比較的新しい建物である。

　清朝が設立した大清銀行（のちの中国銀行）の支店で、発券銀行として横浜正金銀行に対抗した。ルネサンス様式の建物で、1910年に竣工。屋根の両脇に小ドーム、中央にフランス風マンサール屋根を載せている。現在は中信実業銀行になっている。

　1919年竣工。設計は関東都督府土木課長の松室重光。京都の祇園祭の山車をモチーフに設計された中央の塔が“日本の香り”を漂わせている。和風と洋風の折衷建築としても興味深い。戦後は大連市人民政府の分庁舎として使われた。現在は中国工商銀行になっている。

　典型的なイオニア式ジャイアント・オーダーである。大連ヤマトホテルが開業したのは，1907年だが、満鉄本社が旧ダーリニー市庁舎から移転すると1908年からは旧市庁舎を改造してヤマトホテルした。設計者は正確に特定されていないが、最も有力視されているのは横浜正金銀行を設計した太田毅である。二つの建物は、ルネサンスとバロックと違う様式であるが対をなすように見えるのは，同じの設計者だからであろうか。満州事変の調査のために国際連盟から派遣されたリットン調査団も宿泊している。現在は大連賓館になっている。

　イギリス領事館の跡に建つ。イギリス領事館は、1995年に取り壊されて、2000年には大連金融大廈が建てられた。旧大連市人民文化倶楽部（現・中国光大銀行）の建物とともに、日本統治時代になった二つの建物のうちの一つ。

　1908年竣工。中山広場（旧大広場）に建てられた最初の建物。前田松韻が設計した２階建て。中央部に時計塔を配した独特の形をしている。その後は、遼寧省対外貿易経済合作庁が使用。現在は、シティバンクになっている。

　1926年竣工。第２埠頭の前に建設された煉瓦造７階建て。建設当時は大連で最も高層のビルであった。船で大連港に到着した人が最初に目にする建物であった。最初の埠頭事務所は木造の粗末なものであったため、満鉄は1916年から全社をあげて10年の歳月をかけて建物を完成させた。現在も港湾局の事務所として使われている。

　満鉄関連エリアから近い南山の麓が住宅候補地となり、高級住宅が建てられ、1920年代には大連で一番の高級住宅街になった。現在は、日本が租借していた時代の住宅は建て替えられたが、イメージは昔のままである。

　南山麓には、かつては大連神社や西本願寺、東本願寺などの神社仏閣もあった。日本の敗戦後に多くは取り壊されたが、かつての東本願寺の建物は、現在は大連京劇院として使われている。

　日本統治時代には「長者広場」と呼ばれていたが、1945年にソ連軍が進駐すると「スターリン広場」を改称され、ソ連軍兵士の記念塔も立てられた。広場の名前は、1993年に「人民広場」となり、94年には記念塔も撤去され、跡地は噴水になっている。
　広場の北側にある巨大な建物は、かつての関東州庁である。現在は大連市政府（市役所）になっている。旅順にあった関東州庁が大連に移ったのは1937年。それから1945年の敗戦まで関東州の統治の中心であった。

（上左）旧関東州庁（大連市政府）
（上右）旧警察署（大連市公安局）
（下左）旧関東地方法院
　　　　　　（大連市中級人民法院）
（下右）旧日赤病院

　満鉄が開発した星が浦が前身。現在も再開発が進みリゾートとして発展している。

　正面から見ると、上野駅と実によく似ている。列車の乗る客と降りる客を立体の建物で分割した当時としては画期的な造りであった。